おばちゃんのふらんす日記

フランスで10年暮らせどステキなマダムになれず..。冴えないおばちゃんがふらんす生活をぼやきます。

鉄筋ふらんすエリートはどのように作られるのか?

すぐ前にふらんすの政治家は鉄筋コンクリートだと言ったが、彼らは本当にタフだ。お隣イギリスの首相は「ちょっとユルいおっさん」な外見そのままにコロナで入院→陣頭指揮脱落となったが、ここふらんすでは数人の閣僚が感染した位で、大統領はじめ主だったメンツは日々馬車馬のように働いている。

日本では大阪府の吉村知事が「頼むから寝てくれ」と言われているが、こちらの閣僚も日々政策を練り、連日テレビにも出て、かつ強気な戦闘モードを崩さないまま1ヶ月。いつ寝てるのだろう...疲れて死んでしまわないのだろうか。

 

果たして、こうした「鉄筋ふらんすエリート」はどのように作られるのか。元々西洋人は東洋人に比べ屈強なイメージはあるが軟弱なふらんす人も一杯いる(知っている)ので、種族で片付けるのも乱暴すぎるだろう...。

 

という事で、一つは徹底したエリート養成システムにあると思う。ふらんすでは高校卒業後、専門学校や大学の他に、「国家エリートを養成する学校群」という進学先がある。これは日本で言う「東大•京大•一橋大学」みたいな感じなんだろう。

そのエリート養成学校を受験するには「超•受験生クラス」のある学校に入り込んで2年間準備するらしいが、話によると「勉強し過ぎて鼻血•血尿出るぞ」レベルのガリ勉を毎日10~16時間するらしい。もっとも天才はそこまでやらなくてもいいらしいが、それでも「勉強しすぎて貧血気味」くらいのレベルらしい。

で、晴れて合格すると日本の場合、東大や京大でも勉強しながらサークルなんかも楽しむが、ふらんすのエリート学校生は卒業に辿りつけるよう、この鼻血•血尿生活をその後6年間続けるっつーんだから凄いですねえ。

それでようやく卒業したら新卒入社で管理職→やっぱり血尿出しながら馬車馬のように働くってもう。そりゃー超人にならないとムリっすよ!!だからあんなに鉄筋なんですねー。おばちゃんは何十回生まれ直してもムリだわあ。

 

そしてもう一つはKYな国民性質。もうね、国民の反発とか周りにどー思われるとかね、関係ないっすよ。いや、かんけーあるかもしれんけど、知ったこっちゃあないっつーか。政治家さんの討論会見てても、「相手の話ガン無視で自分の言いたい事バーバー言い合う会」になってるもんなあ。強い。空気読む日本人のおばちゃんには到底マネできん剛鉄さです。

 

こうしたモロモロにより屈強なふらんすエリートが出来上がり。彼らのおかげでこの「ヤンキー国民率90%」国が回っている訳ですね。感慨深いです。

 

 

 

 

政治と国民性

近頃日本の誰と話しても、メディアを見ても、政治批判で溢れている。実際外から見ても日本の政治はふにゃふにゃだ。

ふにゃふにゃでもコンニャクのように弾力があれば良いが、日本政治(というか政治家)はお味噌汁に浸った「お麩」のようなふにゃふにゃさで、かつ存在感もない。

「うーん財源ないからつらいけどー、欲しい人には10万円あげちゃおうっかなー。本当は30万の方がいいけどお、それはキツイしい。あーでも取りあえず移らないようにマスクが必要かあ。っつーか、なるべく外に出ないでね。でも、経済は止まったら困るかも...どうしよ」ってな感じで、味も半端でどうしたいのか分からないお麩。

 

それに引き換えふらんすの政治家達は鉄筋コンクリートだ。少なくとも今回のコロナ騒動についての対応は素早く強固。「経済は自分たちが必ず助ける」と大風呂敷を広げた上で、「外に出たら罰金とりまくるで!!絶対家にいろや!」と強硬に締め上げる。もの凄い強気っつーか寧ろカツアゲ気味だ。

 

この違いはなんだろう。

おばちゃんは中学校時代を思い出しました。おばちゃんの通った中学校は、関東の片田舎にある極めてヤンキー度の高い所でした。どっかしら窓ガラスは割れてるし、天井はほうきで開けた穴だらけ。機嫌が悪いヤンキーは先生にふっかけるし、クラスメイトがいないと思ったら(他校とケンカで)ギブスはめて来るし、修学旅行先は先代の悪行で出禁になるし...(一つも盛ってないよ)。まあ、柄が悪かった訳です。

そうなると先生達もガンガンに戦闘モードな訳です。「おまえら、それ以上やるなら《3年生を送る会》中止にするぞ」てな感じで、合唱も練習したのに集会を当日中止にされるとか、結構あったもんなあ。だもんで我々の代は、在校生に見送ってもらわずに卒業しました、はい。

それ以外にも修学旅行時も「準備する物」と一緒に「禁止事項(壊さない、殴らない、盗まない)」も一杯。ゴリゴリに抑えつけられた中学校生活だった訳です。つまり生徒が悪いと先生も強硬になる。

 

で、その後比較的普通な公立高校及び私立大学に進学した所...なんというかユルい。先生が戦闘モードでないし、ぽわ~んとしている。ゴリゴリと「禁止!!何度言ったら分かる!!」と抑え付けられる事もないし、反省集会(罰則)もないぞ。つまり生徒が大人しいと先生もぽわ~んとなる訳ですねえ。

 

なので日本の政治がふにゃふにゃでぽわ~んなのは、国民が優等生だからなのかな、と思ったりします。

一方バリバリヤンキー国民揃いのふらんすでは、政治家が恫喝並みに締め付けないと、皆言う事を聞かん訳です。「おめーら言う事聞かねーなら更に罰金上げるぞ!ランニングし過ぎじゃボケ、日中禁止にしたるわ!」みたいな感じっすね。

これはどちらが良いか悪いかっつーより、国民性の違いなんでしょうね。なので日本の政治家がお麩で、フランスの政治家が鉄筋コンクリートなのは、国民の性質による所も大きいかと。ふらんすにケンカ売ってる訳じゃあないんすけどね。

 

ロックダウン生活は大変なのか?

時間が沢山あるので、沸き上がってくる考えをちょくちょく書ける...おばちゃんには今、とても贅沢な時間が流れています。

 

果たしてyahoo日本の記事を開くと、時々「在外日本人、ロックアウト下の生活を語る」というのが出て来て、ふむふむと読みます。そうすると「大変」や「ストレス」という言葉が出て来るのですね。はて....そんなに大変だろうか、ロックダウン生活。

 

これはもう、各人の性質(性格)によりけりなんでしょうね。あと経済状況も大きいなあ。やっぱり経済不安を抱えて籠りっぱなしは詰まる(経験済み)!!

 

人によりけりと言えば私の同僚なんて「仕事休みで家に籠って狂いそうだったー、ちょっと走りに行ってスッキリした!」なんて言ってて、仕事ない日は疲れ果てて泥のように眠っているおばちゃんには衝撃でした。当たり前ですがおばちゃんはオフの日は最小限の家事と眠るばかりです。

 

おばちゃんは件の検査を受けた以外ここ1週間靴を履いていませんが、本当にストレスフリー。そりゃあご飯は毎食作るし、大量の宿題でゲッソリな子供も少し元気付けなきゃだけど。もとからゴロゴロして友達も少ないのび太的性格が幸いしてか、極小アパートでも全く不自由がありません。そして同じくのび太なオッサンも全く同様。マスクと言ったって買い物以外出ないからそんなに必要ないもんなあ。むしろ1週間後に迫る職場復帰が嫌で少しずつブルーが入って来てます...またあのプレッシャー生活が始まってしまう。ゾゾゾ。

 

という事で、ロックダウンと言っても状況•性格によって捉え方も違うのでしょうね。

 

心臓に悪い!!

先ほどまたネットサーフィンをしながらぐうたらしてると、突然非通知で電話が掛かって来ました。

《これは嫌な予感...》とビビりつつ電話を取ると、件の検査時お医者さん。《わざわざ土曜日にかけて来るなんて、陽性だったんだ、どんでん返しだーー!!!どーしよーーー!!》とアタアタしてると「おばちゃんさんですか、covidの検査結果お知らせしますね。良かったですね、ネガティブです。それでは良い週末をー!」との事。

 

まぎらわしーんじゃーーーっっ!!!!

陽性の時は電話する、それ以外はラボのサイトの個人アカウントに結果入れますって2回も繰り返したじゃろーがーーー!!

なんで陰性で週末に電話かけて来るんじゃあああーーーーーっっ!!!!!

 

電話かかって来た時、「あーおばちゃんが1号か、やっぱりねー(アジア人だしねー)。」と職場の同僚や他の人々の反応を想像して、もうガクガクでしたよ。

 

本当にジェットコースターですよ、もう。勘弁して欲しいっすよ、ふらんす!!

という事でおばちゃん、テスト陰性でした。職場や日本の家族に連絡せねば!!

 

災い転じて福となす

件のPCR検査結果は、48時間経っても分からず。しびれを切らしてラボに連絡したところ「他地方に検体を送るので結果が遅れることがままあります。確認しますね。あー、まだ結果出てませんね。週明けには分かると思いますよ」との事。まあ、そうだよね。ふらんすだもの、うん。

でも検査時、「陽性の場合は検査してくれたお医者さんから48時間内に電話がかかって来ます」と2度繰り返され、まだかかって来ていないので...きっと大丈夫と思い込んでいます。

 

で、こう振り返ると何がどう転ぶか分からないなあ...と思ったりします。

思えばコロナ騒ぎが始まった1月から、緊張しながら働いていました。中国も日本も韓国も見分けがつかないこの地で「やっぱりアジア人が菌を持ち込んだ!」と言われないよう健康状態に神経を尖らせて来ました。職場にはアジア人私1人だし(業界的にもアジア人少ないので珍しがられます)。

 

で、フランスで本格化してからは更に「やっぱりおばちゃんが1人目だよー」と言われないように、と勝手にプレッシャーをかけていた部分はあります。

だから体調崩した日曜日の朝は大パニックで「もうダメだ、きっと職場で第1号になってみんなに移したと責められる!」となり、「隠して出勤してしまおうか?」と本当にチラリと頭をよぎったけど「やっぱり移してはならぬ!」と上司に連絡して休んだ訳であります。

 

で、それから1週間経つ訳ですが、あのパニックを経て今こうして落ち着きを取り戻せているなあ、と実感してます。

まずは3ヶ月に渡って「アジア人だからここで病気になったら何言われるかわからん」と緊張し続けて来て、やっぱり心身共に限界だったんだろうなあ...と。だから2週間の病欠はこうしたモロモロを断ち切るために必要だったのかなと思います。

あとは日本人なおばちゃん的に「こうして働きながら、無自覚に周囲へ移してしまっていたらどうしよう」と分からない不安で一杯でしたが、PCRテストを受ける事でいい意味でも悪い意味でもハッキリ分かるのでスッキリする訳です。

つまり、あれだけ恐れていた「コロナパニック中に体調を崩す」事があったから疲れ果てた心身を止められた。かつ検査を受けてはっきりする事も出来た訳です。まあ結果論でしかないのですが。

 

勿論復帰後はイバラの道かもしれませんが、それでもやっぱり自分自身を休ませるために、そして家族と過ごすためにも良かったな、と思います。

まあテスト結果がおそらく陰性という所まで来て初めて言える事かもしれませんね...。

 

サロモン教授と江頭2:50さん

今まで仕事で疲れ果て、家ではもぬけのカラだったおばちゃんも、2週間の病欠によって急に家の事が出来るようになりました。ああ、こんなにゆったりするのはいつ以来だろう。

 

といってもテスト結果待ちでソワソワですが、ガストロも落ちつき今のところ熱や症状もないため、家族に近付き過ぎない範囲で家の事をガサゴソやっています。

 

で、そんなおばちゃん的に習慣となりつつあるのが「サロモン教授詣で」であります。毎晩19時15分にニュースチャンネルで流す 政府医療機関トップのジェローム•サロモン教授が開く定例会見は、毎日のICU入院患者数や3月からの推移を分かり易く説明してくれてとっても的確。

その上サロモン教授、どんな事態でも冷静かつ明確で、記者のあらゆる質問にもテキパキ答えます。そして分からない時は逃げずに正直に「把握出来ていません」と答える潔さ。日本のなんだか曖昧に誤魔化す政治家達に見せつけたい「仏版剛鉄エリート」のタフネスさよ...。

その上見るから賢そうかつイケメンな教授を拝もうとおばちゃんは19時過ぎるとテレビの前にいそいそと出向いてちょこんと座って待機するのであります。家族からは「今日もいとしのジェロームを待ってるのー」とからかわれるのですが。

 

でもですね、おばちゃんにはサロモン教授よりもっともっと敬愛する方がいるのですよ。それは江頭2:50さま。もう、この方の漢っぷりは素晴らしい。東日本大震災の時も言わずもがなでしたけれど今回もね、やっぱり政府に先立って日本国民に呼び掛けてくれたのです。もう、エガちゃんに言われたらきちんと家にいるしかないですね。

https://youtu.be/jJgmPwv5cjg  

 

政治家さん達にも見習って欲しい説得力ですね。どちらの方もこの危機に全身全霊で出来る仕事をしています。頭が下がります。

 

おばちゃん、PCRテストを受ける

前述の通り、おばちゃんは在宅で出来ない仕事のため外出制限下も働き続けて来ました。心身共にヨロヨロです。外出制限が始まって1ヶ月。緊張感も強まって限界だったのかなあ。

 

で、ついに日曜日に体調崩した訳であります。

もっとも呼吸器系ではなく消化器系で、いわゆるガストロの症状なのですが。取りあえず仕事休んで、ビデオ診察なるものを初めて受けてみました。本当に便利な時代になったものです。この非常時のせいか、日曜日でも祭日でも受け付けてくれるお医者さんがオンライン上に結構いて驚きました。それに処方箋や arrêt de maladie も登録したメアドにPDFファイルでサクッと届く。スバラシイ。

 

で、結論は(おばちゃんの職種は受けやすいので)取りあえずPCRテストを受けて、陰性でも2週間仕事を休みなさいとの事。なんでもテストの精度は70%だから30%は陽性でも陰性になる事があるので、万一のために2週間自宅待機すれば確実だろうとの事。

 

これを聞いて心身ヨロヨロのおばちゃんが狂喜した事は隠せません。勿論同僚に負担がかかるので電話やsmsで詫びに詫びましたが、「そんな事より自分と家族の健康を心配しなさい」とのお返事。本当にありがたい限りです。

で、いわゆる confinement 生活に入ったのであります。移されるか、移すかの緊張、疲労感に追い詰められる事なく家にいられるなんて、なんとまあ快適なんでしょう。元来なまけもののおばちゃんには天国であります。

 

ほいでラボに電話して、本日受けて参りました、かのテスト。covid19医療相談センターという所で受けるのですが、待ち人は私以外に1人だけで、がら~んとしてました。お医者さんも看護士さんも重装備だけど、そんなに緊迫した感じでもなく。

一応経過を説明して「じゃ、やりましょうか」とさっくり受ける運びとなった訳ですが。いんやー、想像以上に痛いっす。鼻の奥にながーい綿棒入れて粘膜擦るんだけど、かなり奥まで入れるんですね、ズズーっと。そいでグリグリするんですよ、はい。目近くまで行ったんじゃあないか?? 痛くって涙ちょちょ切れました。

 

結構サンパなお医者さんだったので、「毎日こうして多くの患者さんを泣かせているんですか?」っと試しに聞いてみると「ええ、小さい頃からね」との答。意味が分からず「ええと、つまり..?」と聞くと「後から優しく慰めて(特に女子から)人気を得るためにね、ふふ。ストラテジーですよ。」てなご回答。全くもってフランス人らしい。

 

結果は48時間内に出るそうで、ドキドキしながら待っています。家族の事もありますしね。